山頂で会いましょう

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七面山(山梨県)


七面山は日本二百名山で2000メートル近い標高ですが、同時に信仰の山です。
この前年に南アルプス 白根三山を縦走して、奈良田からバスで身延へ行く途中、角瀬というころで乗ってきた人々がお札を抱えていました。この山の上にある日蓮宗総本山久遠寺の別院、七面山敬慎院から下りてきたものと思われます。では、来年登ってみるか。というわけで今回やってきました。二泊三日で、一泊は(青山の好きな)宿坊泊まりです。
もちろん青山は信者ではありません。目的はあくまで山です。しかしお寺に泊まる以上そこのしきたりに合わせなければなりません。朝は早朝に起きて、お勤め(読経)に参加。それも楽しみの一つです。
東京から遠いため前泊地は甲府です。駅前のホテルで泊。翌朝JR身延線の特急に乗り下部温泉駅へ。奈良田行きマイクロバスに乗り、途中の角瀬で降りる。そこにタクシーが留まっていて、一緒にバスを降りた男の人(話を聞くと信者のようです)と相乗りして、羽衣登山口へ向かいました。
ここ敬慎院に上がるには、角瀬からの表参道(長いけれど緩やか)と羽衣からの裏参道(短いけれども急。でもない?)の二つのルートがあります。今回は、裏参道を利用。登山口には川沿いに滝修行の場やお萬の方(徳川家康の側室で日蓮信者)の銅像などがあります。
いつの間にかタクシーに相乗りしてきた連れがいません。上の宿坊で聞いた話、ここで滝修行(滝に打たれる行)してきたらしい。
登山開始。登山道には、目印として丁目を示す石塔があります。(調度五十丁目が敬慎院) ところどころにお堂があります。九十九折の急坂が続きますが、丁目石が目安となってそれほど疲れません。やがて和光門が見え、参道を上がり敬慎院到着。下からここまて2時間半です。(標準タイムは4〜5時間)
敬慎院の横を過ぎて山頂に向かいます。敬慎院の近くに下から上がってくるリフトがありました。このリフトは人が乗るものではありません。参拝客の荷物を運ぶためのものです。
林の中の道を進む。途中大規模に山が崩れているところにたどり着きました。このあたりに断層線が走っており、ところどころにこのような崖があります。
やがて展望のよくない山頂に到着。写真を撮る。帰りは元の道を敬慎院まで下りました。この敬慎院は身延山久遠寺の一部(ここは身延市の飛び地)なのですが、敷地も広いです。建物も多いです。何とそこに自動車がありました。そんな車の走れる道などないのに?お寺で聞いたところ、敬慎院付近の建物間を結ぶ道を通って荷物を運ぶための車を、ヘリコプターで上げたとか。
本堂に下りると、中からお坊さんが出てきて、本日予約した者と名乗ると、坊の中に案内してくれました。時間はまだ11時です。部屋(大部屋)に通されましたがまだ誰も来ていません。青山が一番乗りです。坊には風呂もあります。時間があったため付近を散策。近くに池があり、清水が流れ出していました。大部屋で休んでいると続々と登山者が到着しました。タクシーに相乗りした男性も到着。青山よりも3時間も後。
その後同じ部屋(大部屋)で休む人々と会話をしながら夕食。どうやらほとんどの方は信者らしい。夕食時には何とお寺にも関わらずお酒(日本酒)が出ました。例によって酒好きの青山。(飲めない)人の分まで飲み干す。
その後夜のお勤めに参加。長時間の正座。この敬慎院の守り神は、「七面大明神」です。読経する坊さんの声が驚くほど大きい。生の声なのに、堂内に響き渡ります。喉を鍛えているからでしょう。その後大部屋で就寝。ここの掛け布団は面白い。長い一つの布団に全員が包まるのです。
翌朝、まだ真っ暗な中時間通りに寺男(お寺の世話係、僧侶ではない)たちに布団を片付けられる。そして朝のお勤めに参加。途中で勤行を抜け出して、参拝者全員で日の出を拝む。
朝日は富士山の方向から昇ります。青山はご来光を何度も拝んでいますが、本日のご来光は年に数回見られるか見られないかくらいに素晴らしいものだとの事。
帰りは高速バスを利用して新宿まで。バス停での時間を確認してから寺を後にしました。
青山が寺を出ると、お坊さんが見えなくなるまで頭を下げていたのが印象的でした。無宗教の青山ですが、こういう暖かい雰囲気が好きです。
下山は表参道を途中の堂を巡りながら角瀬へ下る。途中の山道で鹿の群れに出会いました。下山道にも山が崩れているところがありました。麓に近づくと下から内輪太鼓を叩きながら上ってくる人とすれ違いました。そしてタクシー乗り場に到着。そこからタクシーを利用して高速バスの飯富バス停へ。しばらく待って、来たバスに乗り込みました。

写真1 お萬の方と滝
写真2 敬慎院和光門
写真3 敬慎院吉祥門
写真4 七面山山頂 
写真5 七面山三角点
写真6 崩落地帯   
写真7 敬慎院本堂  
写真8 敬慎院一の池
写真9 敬慎院の建物
写真10山の鹿    
写真11御来光    
写真12早朝の富士 

ムービー1 羽衣の滝

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