谷川岳と言うと危険な山という印象ですが、ロープウェイを使えば高低差は650メートルほど。雪山じゃなければ家族向けといってもいいくらい。
筑波山、富士山に続いての百名山。今までに3回登っています。
最初は秋。(2006年10月)
東京から在来線の特急に乗り水上で乗換えて二つ先の土合駅。この駅は山の中のトンネル内にホームがあります。地上へ出るまでの階段が永延と続き、この地下の階段の登りでも疲れます。意外に人が降りています。ほとんどは格好から見て登山者。駅からさらに曲がりくねった車道を歩きロープウェイへ。ここまででまた疲れます。
ロープウェイで天神平に上がります。ここからはまったくの山道。登りながら山頂を見ると、稜線に赤、黄の縞になった紅葉が目に映ります。非難小屋(熊穴沢小屋)を過ぎ、そこからは登りも急になります。クサリ場がいくつかありました。疲れ果てたので途中の岩場で何度も休憩。ようやく肩の小屋へ。シーズンでもあり大勢の登山者がいました。
そこから山頂トマの耳はすぐ。ここは新潟県との県境。国境の長いトンネルの真上です。山頂にも大勢の人が記念写真を撮っていました。
谷川岳にはもう一つの山頂オキの耳があります。こちらの方がわずかに高い。疲れたので、そちらはまた今度にして引き返しました。途中のクサリ場も大したことないくらい。使わなくても下れます。小屋まで戻り、木道の道を歩きます。そこで油断したのか転倒。この当時、山に行くと途中で1回は転倒して、手足を汚していました。帰り道ハイヒールで歩いている女性がいました。恐らく非難小屋までの木道沿いの歩きですが、いくらなんでもハイヒールはいけませんよ。また土合駅まで戻り、各駅停車を乗り継いで帰りました。
2度目は雪山。(2008年4月)
4月上旬でも雪は豊富です。スキー場も真っ盛り。ただし天候に恵まれて日差しはまぶしいくらい。当然紫外線よけにゴーグルを持参しました。寒いから喉は渇かないだろうと思って、水筒は500CCの小さなものに水だけ入れて(これが良くなかった)、それと12本歯のアイゼンとピッケルを始めて持参しました。
同じくロープウェイで天神平へ。天気がいいので登っている人も大勢です。
ロープウェイを降りると、アイゼンの装着に手間取りました。初めてなもんで。アイゼン歩行は慣れていないため歩きにくい。雪が目の前に壁のように立ちはだかっています。雪がないときとは様相が一変しました。登山道が雪に埋まっているため
トレースに沿って登ります。
途中登山道横に張られているテントを見かけました。前回来たときあった非難小屋が見当たりません。何と3メートル下に埋まっているとか。
岩場でアイゼン歩行は慣れていないため、転落しないようにぎこちない格好で恐る恐る。反対側から降りてくる人からも「慣れないと大変かも」と声をかけられました。それだけ危なっかしく見えたのでしょう。登るにつれて雪の深さが増し、合わせて傾斜も増します。こんな急な斜面でもスノーボードをしている人たちもいました。
雪はことのほか歩きにくい。雪がないときよりも何倍も時間をかけて登ります。疲れてきた上に喉が渇いてきました。水筒に水はわずか。仕方がないので足もとの雪を食べました。雪を食べるときのコツ。上の方はゴミが乗っているので中の方を食べる。食べてすぐ融けるので水分補給になります。
やっと肩の小屋を超えて、山頂(トマの耳)にたどり着きました。風は冷たいですが晴天。山頂にピッケルを刺して記念撮影。
周りはどこまでも続く雪山と尾根。穢れ一つない真っ白な雪の峰々。この天上からのすばらしい眺めは登った人でなければ味わえない美しい光景。これが雪山の女神か。と思いました。美しい中に恐ろしさがある。この女神に魅せられて今まで何人の人が命を落としたのでしょう。
帰りはまた天神平へ。ロープウェイが4時で終わるというアナウンスが聞こえ、慌てて駆け下りました。日程的には日帰りでしたが、帰宅したのは夜中でした。
3度目はいよいよロープウェイを使わず有名な「西黒尾根」から。(2010年11月)
今回は1泊。群馬県沼田のなじみの宿に前泊して、翌朝電車で水上駅へ。駅からタクシーに乗り登山口へ向かいました。
タクシーを降りると、右の崖にほとんど切り立った登山道の登りが見えました。「さすがに急だな」と思いながら取り付きます。あまり歩いている人には出会わない。
この「西黒尾根」は高低差は1200メートルぐらいですが、日本三大急坂に数えられています。ゆくっり登ればそれほど疲れません。
途中何箇所かクサリがありましが、天神尾根(ロープウェイ経由)のクサリ場よりも遥かに急です。そこで下ってくる人とすれ違いました。そして山頂。今回は初めてオキの耳まで足を運びました。
山頂から下の谷筋を見下ろします。冬が間近な11月。辺りには若干雪がついていました。
帰りは天神平からロープウェイで。
以下の写真は、2008年に登った時のもの
写真1 山頂への道
写真2 山頂への急登
写真3 スノーボード
写真4 肩の小屋
写真5 トマの耳
写真6 オキの耳方面
写真7 雪山の女神
写真8 後を振り返る
以下の写真は、2010年に登った時のもの
写真9 西黒尾根
写真10 オキの耳
|