日本百名山で難易度ナンバーワンはどこでしょう。
青山の私見ですが、3位穂高、2位五竜岳、そして1位は剱岳です。(剱に比べたら槍なんか楽勝?) なぜなら、青山は岩場が苦手。体力勝負ならなんとかなりますが、技術レベルは初心者です。おまけに高所恐怖症ですから。で、今回青山個人として最も困難を極める剱岳にいよいよ登ります。
剱は隣の3000メートル峰の名山立山と合わせて登りました。東京から二泊三日です。
今回初めて登山計画を立てて、それを家に置いて出発。JR大糸線信濃大町駅から有名な立山アルペンルート(バス・ロープウェイ・ケーブルカーを乗り継いでアルプスを越えるコース)を行き、富山県の室堂へ。途中黒部ダムに立ち寄る。ダムは調度放水中でした。そこから立山を見上げます。高いです。ケーブルカー、ロープウェイで次第に高度を上げ、トロリーバスで室堂へ。地上へ出る。
ここから登山開始。立山方向に登ります。辺りには残雪が残っていました。比較的緩やかな登りを終えて、到着したのが一の越山荘。今晩の宿です。とりあえず受付を済ませて、そこから立山山頂をピストンしました。
立山の雄山はここからすぐですが、登りが急です。登山初体験の人は驚く?でしょう。この急坂に。ジグザグに登って雄山神社到着。その先上がったところに小さな社があって、そこが最高峰です。
ただ、立山の最高峰はここではありません。その先の大汝山です。一旦下って岩場を進み、右のピークに登ると「大汝山」という札が掛かっていました。岩の上に上り反対側を見下ろすと、真下に黒部湖が見えました。とりあえずこれで百名山一つ達成です。登り終えて一の越山荘に戻りました。雄山から見下ろすと、山荘が真下に見えます。山荘は個室でした。食堂ではテレビを中継していました。消灯の時間を聞きましたが、特にない。ここは自家発電ではないらしい。
翌朝、今日は剱岳の最近の小屋、剣山荘まで行く予定です。また立山の山頂を登り越したくなかったのですが、他にルートがなく、仕方なく、また立山山頂を登って越えました。その先は別山ルートを辿ります。富士ノ折立、真砂岳を越えて、別山乗越に至る。この別山ルートは本当に眺めがよくとても雄大です。右手に剱岳の雄姿が望めました。剱御前小舎からトラバース道を辿り、今晩の宿剣山荘到着。時間はまだ9時過ぎです。
明日剱山頂を目指す予定でしたが、この時間ならこれから山頂を往復することは可能?ということもあり、荷物を少し減らして、スワミベルトを腰にまき、それにスリングとカラビナを装着して出発。まず一服剱に登る。道は岩場の連続です。そこから正面に前剱。一旦下って浮石がごろごろする前剱を登ります。上から登山者が降りてきました。前剱通過。その先で上りと下りルートが別れます。上りは鉄の橋を渡る。その橋の下は、千尋の谷(おおげさ)。クサリを掴んでのトラバースで峰を回り込む。その先にありました。これが有名な「カニの縦ばい」。一旦平坦なところに降りてから垂直に近いの岩をボルトだけを頼りに登ります。カラビナは面倒なので使いませんでした。ようやくは「カニの縦ばい」突破。その先も岩の道。早月尾根ルートと合流して最後の登りを経てついに山頂到達。
山頂には数人の人がいました。立て札で記念撮影。眺めは雄大です。八ツ峰から、剱沢が真下に見えます。とうとう百名山最高難易度の山に登頂です。
帰りはまた剣山荘に戻りますが、ルートは異なる。最難関の「カニの横ばい」があります。(カニの横ばいに比べたら、カニの縦ばいなんか大したことはない)ポイントは足をかける岩。右足か左足か?そこを間違えなければ安定しています。最初、置く足を間違えて不安定なところ、お客さんを連れたガイドさんが、「足が違いますよ」と言われて改めたところ、うまい具合に岩に乗りました。後はクサリを掴んでのトラバース。念のためにカラビナをクサリにかけます。
一休みできるところで、ガイドさん一行に抜かしてもらいました。青山は岩場は苦手。
その先も、垂直の長い梯子を降りる。手がかりがまったくない岩の縁を歩く。(滑ったら転落) そして前剱まで戻ってきました。ガイドさん一行が休んでいました。その横を通って前剱を下る。浮石の道もなんのその、石を転がさずに上手に下る。一服剱通過。ようやく剣山荘が見えました。ここから山を下りると携帯が通じません。家に無事を知らせたいなら、ここからどうぞ。
剣山荘到着。時間的には午後4時前。往復で6時間程度か?この剣山荘の裏には残雪があって、それを溶かして沸かし、何とシャワーが浴びれます。順番を待ってシャワーを浴びる。夕食時お客さんの話を聞くと、多いのは明日山頂を目指す人々。青山は明日の予定を今日で済ませましたので、明日は下山するだけです。考えてみれば、昨日と今日の二日間で、室堂→立山雄山(初級)、別山尾根(中級)、剣岳(上級)と初級、中級、上級を歩いたことになりました。
さて翌日、悲しいことに朝から雨です。例のごとく真っ暗な中起きて、レインウェアを羽織り出発。今日山頂アタックの人は大変でしょう。昨日登っておいて良かった。闇の中でヘッドランプの光がまたたきます。剱を目指す人々です。それを尻目に青山一人雨の中室堂へ戻りました。途中でバスの時間か気になり歩を早める。雷鳥平(テント場があります)からミクリガ池を巡ってバス亭に降り、ぎりぎりバスに間に合いました。アルペンルートを逆に戻って、信濃大町駅に着いてはじめて、公衆電話から家に無事を知らせました。
剱岳登山は、はっきり言って入門者の人には無理だと思います。経験を積みましょう。ただし経験を経て山頂を越えたなら、よい思い出になると思いますよ。
写真1 黒部ダム
写真2 黒部ダムの放水
写真3 黒部川下流方向
写真4 黒部ダムより立山連峰
写真5 黒部平から立山連峰
写真6 大観峰より黒部湖
写真7 室堂ミクリガ池
写真8 室堂の山小屋
写真9 一の越への登り
写真10雄山への登りから
写真11雄山山頂1
写真12雄山山頂2
写真13雄山山頂の社
写真14大汝山へ
写真15大汝山山頂
写真16大汝山から黒部湖
写真17一の越山荘
写真18立山から室堂一帯
写真19別山コース1
写真20別山コースから剱岳
写真21別山コースの残雪
写真22雷鳥平と地獄谷
写真23剱岳を眺める
写真24富山市方向
写真25地獄谷と弥陀ヶ原
写真26別山コース2
写真27ヘリの荷降し
写真28剱への登り
写真29一服剱を見下ろす
写真30前剱
写真31上りコースと橋
写真32上りのトラバース
写真33下りコース
写真34カニの縦ばい
写真35山頂付近
写真36山頂の立て札
写真37山頂から下を見る
写真38剱岳山頂
写真39三角点
写真40山頂からの眺め
写真41剱沢と八ツ峰
写真42八ツ峰
写真43カニの横ばい
写真44縦ばいを登っている
写真45下りルート
写真46一服剱頂上から
写真47剣山荘
写真48山荘周辺
ムービー1
ムービー2
ムービー3
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