山頂で会いましょう

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トムラウシ山(北海道)


4泊5日で北海道の百名山三つを登る計画を立てました。羊蹄山と大雪山、そしてトムラウシ山(注)です。
まずは羊蹄山。小樽で泊。JR函館本線をさらに乗り倶知安(くっちゃん)。タクシーで半月湖登山口へ。天気がよく登山日和でしたが、何とあろうことか、五合目付近でバテる。こんなところで撤退とは・・・少し休んで上から下りてきたおじさんと話し込んだ後下山。JR比羅夫駅まで歩く。電車で旭川へ。旭川で泊。次は大雪です。
翌日は台風の影響で大雨でした。旭岳までバスで行きましたが、ロープウェイが強風のため運休。残念。これも断念。旭川市内に戻り、旭橋から眺めると、石狩川が増水のため勢いよく流れていました。その日も旭川で泊。
次はいよいよ最後のトムラウシ山です。これも駄目だと今回の登山は全敗です。最後のトムラウシも恐らく駄目でしょう。三つの内で一番難敵ですから。せっかく高いお金を出して北海道まで来たのに・・・
翌日電車に乗り富良野経由でJR新得駅へ。予約しておいたマイクロバスでトムラウシ温泉へ。途中バスは十勝岳の見える丘で停車。十勝岳は既に登っていました。トムラウシ温泉に到着。大きいリックを背負った若者3人が降りていきました。キャンプ場の方に向かったため、リックの中身はテントのようです。青山は温泉旅館の「東大雪荘」で泊。
前日の偵察として、登山道の確認と少しばかり山を登ってみました。登った感触はそれほど急坂ではない?宿に戻り、フロントで、翌日はトムラウシに登るため3時に出る旨伝えました。玄関横の通路を開けておくとのこと。しかし宿の人の話によると、一日で山頂往復は相当厳しい。しかも(青山は車がないため)短縮ルートが使えない。この場所からピストンは無理。とのこと。そう言われても仕方がない。ここまで来たら行くしかない。時間切れの場合は引き返せばよいだけです。宿では温泉に浸かり夕食を取って早々と就寝。まだ深夜過ぎに起きだして出発です。今日は雨。しかも一日雨の予報。
フロントに下りる。宿の人はいません。登山の身なりで出発しようとしている中高年の夫婦二人連れがいました。恐らくここから車で短縮登山口まで行き、夜明けを待って登山開始するものと見えます。短縮ルートを使えば1時間近く短縮できます。青山は仕方なし。この車に乗せてもらおうとも思いましたが、そんな甘い気でどうする。全行程徒歩で向かいました。
雨は土砂降り。真っ暗な中ヘッドライトを着けて出発。少し上った先は平坦。小さい峰をいくつか越えます。ここで甘く見てはいけません。その先から上りが始まりました。短縮登山道からの分岐を過ぎます。恐らく先に出た夫婦よりも早いと思われます。少し雨が弱まりました。さらに登ると展望のよい尾根に出ました。長い尾根歩きが続き、その先は一旦降下。谷に下りてから沢伝いに岩の急坂を上ります。途中で昨日バスに乗ってきたテント泊の若者3人組を追い抜きました。彼らは岩の上で休み、疲れたといった表情をしていました。この岩の急坂を登りきり尾根に上がると、急に風が強くなる。人間が飛ばされるくらいです。
この辺りから、上から下りてくる人たちとすれ違う。岩の峰を越えたところで登山者(中高年夫婦)と会話。青山と同じバスで帰るとか。その後一旦下がり花畑のようなところ(トムラウシ公園)を通過します。昔ここで大規模な遭難がありました。本日のように雨だったそうです。
さらに進むと最後の上りに差し掛かりました。峰を登りきって雨の中山頂到着。ここまで登山に専念していたため写真を一枚も撮りませんでした。ここで山頂をビデオ撮影。そのため今回静止画はありません。時間はまだ午前9時前。バスの時間は午後4時なので、登山開始から半分の時間を費やしていました。しかし下山だから上りよりも時間はかからないだろう。それが甘かった。
家に電話を入れてから下山開始。途中の花畑で転倒。そのとき足首を痛める。足がガクガクしたまま下山。登り返して尾根に上がるところでバテました。雨はほとんど止みましたが、道はぬかるんでいます。足下の水溜りは池のよう。靴は泥だらけになりました。もう間もなく登山口というところで先ほど痛めた足首の同じところを再び痛める。
バスには間に合いました。まだ出発には1時間もありました。その間汚れたレインウェア、靴等を洗う。
バス発車。山の上で出会った夫婦も乗っていました。バスで新得駅に戻り、JRで帯広へ。駅前のホテルに泊まる。リックにつめていた下着がザックカバーを付けていたにも拘わらずびっしょりです。一日中雨だったからでしょう。痛めた足は大きく膨れ上がり靴が履けないほどです。帰ったら早速治療しなければ。
翌日は帰るだけ。帯広空港から東京へ。結局三つのうち、トムラウシ山のみ登頂という結果になりました。
(注)トムラウシとはアイヌ語で、「花の多いところ」という意味。

写真1 旭橋と石狩川
写真2 富良野線  
写真3 富良野駅にて
写真4 東大雪荘   

ムービー1 トムラウシ温泉

ムービー2 トムラウシ山頂

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