妖怪物語

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一反もめん


鹿児島地方の妖怪と言われている。ゲゲゲの鬼太郎でも有名。
ある風の強い晩のこと。一人の武士が人通りのない路地を歩いていると、どこからともなく飛んできた一反の布切れが武士の身体にまつわりついた。払っても払っても切れはまつわりつく。「おのれ!化け物!!」武士は刀を抜いて布切れを一刀のもとに切り捨てた。と切り裂いたところから真っ赤な血が飛び散ったのだ。切れは血まみれとなり地に伏して動かなくなった。

これは「風」という自然現象である。武士が切ったのはただの布切れであり、どこかの家に干してあった洗濯物が風に飛ばされただけである。血が噴き出たのは武士の剣の腕が未熟で、自分の膝でも切ったのであろう。