妖怪物語
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登山などで一人山道を歩いていると、突然周りからかん高い笑い声が「あははっ!あははっ!」と響いてくる。その声の主は複数なのか一人なのか、大人の声なのか子供の声なのかもわからない。
こんな山の中に人がいるわけがない。登山者はとてつもない恐怖感に襲われる。そして道に迷い命を落とすのである。
これは遠方の町の音(それは人の笑い声や叫び声とは限らない。自動車や電車などの人工物の音かもしれない)が、風に乗って運ばれ、山の岩肌に反射して聞こえているのである。その過程で低い音は途中で失われ、高い音だけがそのまま残る。
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