妖怪物語
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長壁姫(おさかべひめ)
刑部とも書く。世界遺産で有名な「姫路城」の天守閣に住む。一年に一回決められた日に城主が一人天守に上がると現れ、城の未来について予言するという。「姫」とつくが顔は鬼のように恐ろしい。
今でこそ世界遺産となり沢山の観光客が連日のように訪れている城では、もはや姫の姿を見ることは不可能であろう。青山が世界遺産になる前の姫路城を訪れた際、一人天主の最上階に上がって薄暗い梁の上を見たとき、そこに何かがいる気配がした。
広い建物の中にただ一人いると、そういう感じがするだけのことであろう。