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陰謀論と人間不信


陰謀論とは
 この世界は、支配する一部のエリートと支配される大多数の大衆から成り立っている。大衆は至って無知で、自分たちの生活のすべてが支配され、コントロールされていることに気づいていない。いわば水槽で飼われている熱帯魚のように。この陰謀を企むエリートたちは、大衆に悟られることなく人類の完全支配を目論んでいる。彼らは我々が自由を得て予期せぬ行動に出ることを恐れているのだ。
なんていうことがありえるでしょうか?これじゃまるで劇画か何かに出てくる悪の秘密結社ですね。こんなことはまず間違いなくありえないと思います。いったい何のために、支配層は、しかも莫大なコストをかけて、こんな意味もない陰謀を企むのでしょうか?もしそんな連中がいたら、相当のバカだと思いますよ。(補足1)
ここでは、有名な陰謀論として、UFOと宇宙人、フリーメイソンなどの秘密結社について簡単にお話します。

■UFOと宇宙人
 ごく一般的な人でも、UFOと宇宙人が存在する(地球外生物が存在するという意味ではなく)なん思っていません。(補足6) ましてやその宇宙人がすでに地球を訪れていて、一部の政府要人、あるいは(特にアメリカの)軍関係者との間で秘密協定を結び、それに関して一般市民には一切内緒にされている。なんて、よくテレビでもありますが、その内幕を記した公文書が発見されて話題になるなど。
それが真実なら、一部の人間(政府の高官)は、宇宙人に会っているということですね?それを家族にも誰にも黙っているなんて考えられません。そんな驚くべき話なら家族や知人に間違いなく話すでしょう。たとえ国家秘密でも。(すると家族はまた他の知り合いに話す。そうして話はどんどん伝わることに)
だって自慢したいもんね。「俺、すごいことを知ってるんだぜ」って。少しもったいぶりながら。すると周りの人間は、「え、何々?」と群がる。「実は・・・」と触りでも話をすると、「えー!本当!信じられない!」みな目を見開いて驚くでしょう。その様子を見て優越感に浸る。この優越感を味わいたいがために、国家機密だろが、後からお咎めを受けようが関係ありません。いくら口止めされたとしても話したいことは話す。それが人間です。
同じ国家秘密でも、国防に関するもの(たとえば自国の新兵器に関する情報)は漏らしません。
なぜでしょう?そんなことは誰も興味を持たないからです。そんなつまらない話をしても家族には自慢できません。
軍の機密だとしても完全管理なんてありえませんから、真実ならいずれ証拠が出るでしょう。もし本当に完全管理ができるなら、一部でも情報が漏れるなんてありえないと思います。もしも本当に宇宙人が存在しているなら、なぜ政府の中枢部はそれを大衆に公表しないのでしょうか?陰謀論者は主張します。それを知らせれば、大衆はパニックを起こし社会は大混乱する?もしそれが本当なら、政府首脳がパニックを起こし混乱しているはずでしょう。それによって政府は瓦解します。首脳部だって感情を持った人間ですから。大衆と何も変わりません。
宇宙人肯定論者がよく持ちだす「なぜ、宇宙人の存在を政府は公表しないのか?」という問に対する答えとして、「大衆がパニックを起こすから」という話をよく聞きますが、本当にパニックなんか起こしますかね?そりゃあ多少は騒ぎになると思いますよ。初めて見る異星人ですから。でも、アメリカ大陸に初めて西洋人が上陸したとき、原住民は最初は大騒ぎをしたとしても直ぐに慣れたと思います。パニックと言っても世界大戦ほどの大混乱にはならないでしょう。我々は既にこの世界大戦を何度も経験してますからね。子供じゃないんだから、大衆だって事実は受け入れるはずです。どうせバレるなら、できるだけ早いうちに事実を公表した方がまし。隠し通す期間が長引けば長引くほど余計なコストが掛かります。こんな無駄な浪費を政府当局がするでしょうか?だからこのような「パニックを起こす」なんて幼稚な理由付けはまったく信用に欠けるでしょう。
噂はいくらでもありますが・・・証拠が出ないのはデマか?誰も知らないか?のいずれか。(補足8)
つまり情報が漏れないようにごくごく一部の人にしか知らせていない。もしかしたら大統領も軍の上層部も知らない話かもしれませんよ。知っているのはとある田舎の連隊に所属する数人の兵士だけ。彼らはひそひそと話をしています。「こんなおいしい話を、大統領なんかに教えるか」

■秘密結社の陰謀
 伝説の秘密結社といえばフリーメイソンが有名ですが、そのフリーメイソンが世界征服を企んでいるなんて誰がこんバカバカしいことを言ったのでしょう。フリーメイソンにとっても世界に影響を与えたいというのはあるかもしれませんが、それにしてもそんな陰謀論をまじめに語る人たちは、フリーメイソンって何だか知ってるんでしょうか?一言で言えば男性の社交会、あるいは親睦団体ですよ。会員が集まって政治や経済、あるいは哲学などの高尚な話題について語り合う場、いわばサロンです。語り合ったからといって何かを社会に対して行うわけじゃない。(補足9)
ただ普通のサロンと違って、入社式などの儀式や歴史的故事に基づいた寓話など、どこか秘密めいたところがあり、それが魅力なんです。
特に男の子は昔からそういう、「秘密結社ごっこ」が好きなんです。あなたがもし男性なら良くわかるでしょう。男の子の気持ちが。
そんな遊びに大の男が、しかも社会的に地位のある人間が、なぜのめりこむのか?
のめりこんでいるわけじゃありませんよ。彼らだって常識人、ごく普通の善良な市民です。空想(ありえないこと)と現実の違いはわかっています。単なる息抜きなんですよ。どんな人間も社会という制約された世界に浸っていると、たまにはそれらから解放されてロマンに浸りたいと思うのは正常な心理だと思います。
それでも世界的陰謀組織が存在し、超エリートたちが大衆を支配していると思っている人に質問です。果たしてエリートたちは何のために我々を支配しようとするのでしょうか?大衆を意のままに操りたいから?そのために大衆を洗脳して、支配層の命令に忠実に従う奴隷にするのが目的?エリートたちは大衆が真実を知り、彼らに反抗することを何よりも恐れている?そんな刃向かってくるのが怖いなら、刃向かう前に大衆なんか皆殺しにしてしまえばいいじゃないですか?そうすればもう誰も逆らいません。わざわざお金を掛けて、大衆一人一人を洗脳する方がよっぽどコストが掛かります。

■政治的陰謀
 政府などの権力を持った機関による政治的陰謀は確かにあります。先進国でもね。政府の影響力は民間とは比べ物にならないくらい大きいですから。メディアを牛耳って国民を扇動することなんか簡単です。
ただし、政府だっていくらでも金があるわけじゃない。それに国民から監視されていますから。下手な小細工がばれたら徹底的にたたかれますよ。なぜなら国民の方が偉いから。国民の方が大勢だから。その国民に逆らったら、あるいはご機嫌を取りそこなったら、いかなる権力者でも釣り仕上げられるでしょう。(補足10) つまりビクビクしているのは指導者、権力者の方です。
やるとしたら金も手間もかからない方法。既に起きている事象を利用する。
たとえば、隣国がミサイル実験をしたら、チャンスとばかりに軍備拡張を国民に訴える。隣国の脅威を大々的に宣伝すれば国民は反対しないでしょう。
他にも大規模災害が起きた際も、何かこれを政治的に(いい方向にも悪い方向にも)利用できないか考えるのは普通です。
その他さまざまな社会的事件も利用します。政府が少しでも楽に(低コストで)国民を管理することを目的とした宣伝効果を狙っているのです。
ただし、自ら事件をひき起こすことは滅多にない。このように起きた事件を利用することはあっても、事件の主犯者にはならないのが普通。
たとえば政敵を倒すために暗殺を実行するとか。戦争の口実をつくるために、テロリストを使って破壊活動を行うとか。そんなリスクが大きいことを、もし失敗したらどうなるんだ。その損失は計り知れないぞ。
いいですか?どこの政府もお金がないんです。そんな費用対効果さえ考慮に入れないことを一国の政府がやりますか?
昔は確かにありました。たとえば日本軍が引き起こした「満州事変」とか、ナチスが実行した「国会議事堂放火事件」等。その他の政府首脳の暗殺。しかしこんなことを行った結果はすべてマイナスで、プラスになった試しなし。(補足11)
そもそも陰謀なんて、何か(世界征服のような)大きいことをしようとすれは、大勢の人が関わるしかない。大勢の人が関われば秘密にはできない。ばれます。
逆に秘密にしたいのならごく少数の人間でしか事を進められない。少人数なら些細なことしかできないでしょう。世界征服なんてとんでもない。俺々詐欺ぐらいか?
いずれにしても、一つのスイッチを入れたくらいで、社会全体が大きく変動するなんてことは有り得ないのです。

■関係のこじ付け
 陰謀論者でなくても、人は世の中にある何かと何かを無理やり結びつけたがる傾向にあります。例えば共に暗殺されたというリンカーン(アメリカ16代大統領)とケネディ(アメリカ35代大統領)の共通点をやたら挙げる。しかし似ている点を挙げたら切りがない。逆に相違点を挙げても切りがない。(リンカーンは共和党、ケネディは民主党) ある”A”というものと”B”というものは、この宇宙に存在する限り、類似点も無数にあれば相違点も無数にあるのです。この青山とケネディだって似ている点は沢山あるでしょう。(共に脊椎動物とか)。人間はやたら関係性をつけたがる。その大部分は単なる”こじ付け”に過ぎないのです。

■陰謀論者と人間不信
 とにかく陰謀論者の主張はまったく理解できません。本当に政府やエリートたちは、世界征服の陰謀を企んでる?それを本気で信じている?もちろん信じるのは自由ですが、それを人に教えたいなら、確たる証拠を提示する必要があります。この世には悪魔がいるとか、秘密結社では、幼児の血を抜いてそれを飲んでいるとか、(一部の狂った宗教はわかりませんが)、そんなことがありえますかね?(補足12)
真顔でそう言い張る人たちを見ると、自分こそ悪魔に憑り付かれているんじゃないかと思いますね。「本当に頭(オツム)大丈夫?」と声をかけたくなるような。(補足13)
「相対性理論も進化論も現代科学はみんな嘘だ」と主張している人たちも、単に理系の知識がないだけでは?終いには、自分が社会で成功しないのも、会社で仕事を評価をされないのも、いつまでも自分が貧乏のままなのも、あるいは自分が異性にもてないのも、みんな世界を支配する闇の陰謀組織(←そんなものあるか!)の精にする。
「そんなものは政府の陰謀だ!マスコミの洗脳だ!」、「おまえもだまされている!」、「おれはだまされないぞ!」、「陰謀だ!!陰謀だ!!」と何から何まで陰謀だと決め付けたら、何も信じられませんよ。いったい何を信じるのですか?
陰謀論に憑りつかれている人は、少しでも反論されると「あなたは(政府やメディアに)洗脳されている」と言い張る。言うまでもなく洗脳されているのは、陰謀論狂信者の方です。否、政府や影の組織に騙されているのではない。自分で自分を洗脳しているんです。いずれ何もかも信じられなくなり、すべて疑い、親しい友人や愛する家族さえ疑うようになる。「おまえは政府の手先だ!!」とね。
人が信じられなくなったら終わりです。人を信じられない人は人を愛せません。だまされたっていいじゃないの。(補足14)
そうしてすべてに不審を抱いている、いやすべてが信じられない人は、科学のもっとも重要なことが解っていないようです。
とにかく信じたいなら信じればいい。疑いたいなら疑えばいい。しかし科学の基本は、自分自身がやってみることにあるのです。

 それにしてもなぜ大の大人がこんな幼稚い陰謀論を信じるのでしょうか?それはやっぱりギャンブルと同じ。人々は味気ない単調な毎日の生活に飽き飽きしているのです。嘘でもいいから何か面白いことに熱中したい。そして日々蓄積されていく鬱憤を幻想に浸ることによって解消したい。自分に対する劣等感、日々の不満の要因を外に求める。世の中の精にする。失敗の原因を分からないままにしてやおくのは嫌だ。だから何かと何かを無理やりこじ付けて安心する。そういった心理が働いているのでは?
つまり陰謀論を固く信じている。陰謀論に引かれる。あるいは取り憑かれている人間は、自分が成功しない。努力してるのに世間が評価してくれない。どんなに働いても裕福になれない。商売が上向かない。その理由を、影の勢力がそれを阻害していることに求めてしまう。成功しない理由は単に自分が愚かなだけなのに、それを他者の精にすることによって、自分を納得させているだけの情けない人間に過ぎないのです。そういう人間の受け皿として、また陰謀をことさら唱える怪しい宗教がある。自分を認めてくれない社会に不満を抱き、自分が幸せになれない理由を陰謀勢力の精にしてしまう人間は、こういうカルト宗教の格好の餌食になるのです。

■大衆向け陰謀
 政府当局そのものが手を汚す陰謀などはほとんどありえませんが、当局が大衆を(特定の傾向に)誘導するにあたっての陰謀は確かにあると思います。その目的は、大衆の支配などではなく、公務員、役人、そして政治家たちの保身。即ち国家・国民のためなどではない、自分たちの生活を守りたい。ただそれだけです。自分たちの生活を守るためには、国家の”体制”を維持しなければならない。そのためには国民に対しては”余計なこと”など考えずにただ働けと。家畜のように。(働いて税金を払ってもらわないと役所がつぶれる) そのために大衆の思考を現実から逸らす。人間の動物的(依存)心理を利用して、”絆”とか”一体”とかという概念を擦り込ませる。(青山は、この”絆”とか”一体”という言葉に「甘え」を感じます) そして宗教と同じように、大衆に対して「幸せになった」ような気分だけを与える。現実を見ない。考えない。ような人間を増やす。これが多かれ少なかれ政府が行う陰謀です。(補足15)
青山はこの「科学概論」で、その作用に逆らっています。なぜなら科学は現実を直視することが全てですから。この当局が考える”余計なこと”とは何でしょうか?今まで当たり前だと思ってきたことを疑ってみましょう。”考えてはいけない”ことなんかこの世には存在しません。「何でこの社会は悲惨な出来事ばかりなんだ?」、「こんな世の中になぜ生まれてきたんだ?」、「希望のある人生、夢のある未来、そんなものは嘘(政府の大衆洗脳)に過ぎない」、「国家の体制を維持することがなぜ必要なのか?」、「人類が滅亡してはいけない理由なんかないではないか」。これらのことについては、また第6章でお話します。
支配者層にとって、大衆が何も文句を言わず、おとなしく言いなりになってくれればこんな楽なことはない。だから多少なりとも我々を騙す。大衆に嘘をつくのです。これは一種のプロパガンダ戦略。あるいは大衆洗脳です。(補足16) しかし大衆を完全に管理することは、神様でもない限り不可能でしょう。エリートだって馬鹿じゃないから、そんなことぐらい分かっているでしょう。そして自分も管理されていることを。
結局支配者だろうが権力者だろうが恐れる必要はありません。なぜなら彼らも所詮は猿と同じレベル。動物としての習性を持った生物の一種ですから。

 つまり人間という動物は、それがどれほど荒唐無稽であっても信じたいものは信じる。動かしがたい事実であっても信じたくないものは信じない

(補足1) もしあなた個人が、一国の国家予算に匹敵するほどの財産を自由にできるとしたら、そのお金で何を買いますか?
超豪邸を買う。自分ひとりの豪華客船に乗って世界中を旅する。湯水のように金を使って。それでもあなたは一生の間にお金を使いきれないでしょう。もはや買うものなんか世界には存在しない。(補足2) 大抵のお金持ちなら、それを福祉団体、あるいは平和団体に寄付するでしょう。そうして自分は単なる資産家ではない。社会のために、人々のために貢献しているんだぞという満足感に浸る。(補足3)
こういうお金持ちというのはただお金を寄付するだけでは満足しない。福祉にしろ平和にしろ、何事も自分が主導権を握らないと気が済まない。「私がスポンサーなんだから私の指示に従え」と。(その点、協調性に欠ける人間だと思いますが) そうして世界に関与したいのです。もしそれでも金が有り余っていたらどうするでしょう。もう何もいらないから、静かに余生を送りたい。これが普通の人間の感覚です。
しかし彼ら(超富裕層)は違う。最後に残った願望。この世界を自分ひとりが(もしくは前段として、おなじエリートたちと結託しながら)思いのままに操りたい。(補足4)
もちろんはこんなことはどれだけ金があっても不可能です。ただしその不可能さがわからない愚か者がもしいたとして、そういう陰謀を企む可能性も無きにしも非ずです。

(補足2) 余談ですが、例えば医者や弁護士などの高給取り、あるいは起業などで莫大な財産を手に入れた者たちが、引退した後その資産をどう使おうか迷った挙句、残りの人生を世界中を豪遊して周ることに決めたとしましょう。青山のような貧乏人には彼らの気持ちは分かりませが、余生をそんな風に生きるなんて、羨ましいどころか何となく空しさだ感じます。、もはや彼らは生きる意味を失ったかのよう。まるで廃人です。
そんなことを言うと、貧乏人が金持ちに嫉妬している。とか言われかねないですが、恐らく金持ち連中はそんなことは思っていないでしょう。彼らも人生の空しさを感じていると思いますよ。嫉妬していると言っているのはむしろ貧乏人の方です。
有名な実業家の中には、引退後資産を捨てて、仏門に入る人もいるとか?つまり僧侶になってその後の人生を清貧生きることを選択するのです。その時知るでしょう。これまでの自分の人生がいかに空しいものであったかを。「功利」という言葉に操られてきたこれまでの自分が実につまらない存在であることが。

(補足3) 世界の大資産家たちの多くは、得た資産を福祉事業等に投入しています。例えば、世界中の貧しい地域に住む子供たちを救うために、莫大な資金を惜しみなく当てて援助に貢献している資産家もいます。その中には自分一人で事業を起こし、莫大な儲けを得て今日の大富豪の地位におし上がった者もいます。ただし、彼らはもともと、貧しい子供たちを救うために事業を始めたのでは決してありません。目的が逆なのです。事業が成功したから、自分一人で使いきれない程の莫大な収入を得たからこそ、それを社会福祉に当てているのです。自分は「人類に貢献している」という満足感を得たいがために。

(補足4) 彼らはただ金の力でそうしたいのではない。連中がしたいのは、世界を相手とした駆け引きなんです。あくまで自分の持てる知力と体力を使って、問題の解決に挑みたい。その際発生する困難な課題も彼らにとっては楽しみな対象の一つです。その困難が大きいほど、それを乗り越えたときの喜びを味わいたい。我々庶民にはとても付いていけない感覚ですね。(補足5)

(補足5) 恐らく大金持ちたちは、生きている上で避けることができない自分自身の”死”を恐れているのではないかと思います。それを誤魔化すために、それを忘れるために、考えないために、常に稼いでいないといられない。しかしすべては無駄です。死は確実に訪れます。

(補足6) まったくの余談ですが、この広大な宇宙には、ほぼ100パーセント、地球以外にも生物が存在しているだろう。と考えている科学者は多いと思います。銀河系だけでも何兆個もの惑星が存在しているそうです。その銀河系が何兆個もあるのがこの宇宙です。そのうちの100万個に一つに生物が存在し、さらにそのうちの100万個に一つに人間のような知的生物がいるとしたら、宇宙には何兆もの文明があることになります。そのうちの一つがいつの日か地球を訪れるかもしれない。あるいは遠い未来、人間が太陽系を越えて宇宙探査に乗り出したとき、他の惑星に生物を発見する。さらに遠い遠い未来、宇宙のどこかで知的生命体と出会うかもしれない。
もし今地球外からその知的生命体の一つが地球を訪れたら、彼らは我々人間に対してどのように接触するだろうか。仮に相手が地球を征服しに来たら、我々には勝ち目がない。彼らのテクノロジーは我々を遥かに超えている。しかし彼らは我々を征服するなんて野蛮な願望を抱くだろうか?彼らは単に高度なテクノロジーを有しているだけではない。我々を遥かに超越した精神性も持っているはず。一体全体彼らは何のために我々と関わるのだろうか?関わる理由がない。だから我々は彼らと出会えないのかもしれません。
よくある話。宇宙人が人間を誘拐して人体実験をしているとか、人間は宇宙人の遺伝子操作によって造られた。などと言う都市伝説はまったく信じられません。第一我々よりも高度な彼らが、一体に何のためにそんなことをするのでしょうか?こんなことをするなんて、あまりにも幼稚過ぎる。まるで犬猫のレベルです。宇宙人にとって人間などどうなろうが関係ない。人類が存続しようが自らのミスによって滅亡しようが、そんなことはどうでもいいのです。(補足7)

(補足7) 文明レベルに劇的な差がある宇宙人とは出会えないでしょう。彼らは我々の想像をはるかに超えた姿かたち(存在の仕方)をしているかもしれません。存在していても認識できないのです。反対にレベル差が少ない宇宙人と出会ったらどうでしょう。我々は彼らを認識(存在確認)できるかもしれない。そうであっても我々は彼らの行動をまったく理解できないでしょう。なぜそんなことをするのか?価値観、世界観がまったく異なるからです。それを理解できるようになるためには相当な時間を必要とするでしょう。従って、人類が文明の行く過ぎ(核戦争や自然破壊など)により自ら滅んでしまうことを懸念している(余計なおせっかい)なんてことは考えにくい。そんな単純なものではないでしょう?

(補足8) これも余談ですが、もし本当に宇宙人がもう何十年も前から地球を訪れていて、それを一部の支配層は知っているとしたら。いずれこの事実を大衆に知らせようと、超大国の首相、大統領をはじめとする政府首脳がそれを国民宛てに公表しても、恐らく大部分の大衆はそれを決して信じないでしょう。大統領が本物の宇宙人とテレビ出演してもです。きっと人々は、「大統領の奴、また我々を驚かそうとして、下手な芝居を打ちやがって」。大統領がどんなに真顔で熱弁をふるっても、「俺たちはもうだまされないぞ!」と、誰も耳を貸さない。正にイソップ童話の「狼と少年」です。

(補足9) 大体フリーメイソン(正しくはフリーメイソンリーという。フリーメイソンと言うのは、フリーメイソンリーの会員を指す)は、各国で独立しており、それを束ねる世界統一組織などない。そんな統制が取れていない組織が世界征服などできるわけがない。

(補足10) ただし、いずれの政府も国民を、できれば意のままに支配したいという政治的意図を少なからず持っている。例えば国民の不満を政府に向けさせないように図るなど。それは陰謀には違いありません。政府としても楽に国民を管理したいですからね。
つまり国民は騙されているのです。青山はもちろん政府など信用していません。政府のやり方をただ当り前だとは決めつけてはいけない。何事にも疑問を持つ。盲目的に信用しない。それが科学者としての姿勢です。

(補足11) 結局それが引き金となって日本への原爆投下やドイツ敗北につながる大マイナスの動因になったのです。

(補足12) 政治権力や闇の勢力が実行する陰謀は確かにあります。ただしエリートが世界を操って全人類支配するなどの突飛な陰謀論はすべて嘘だと思います。その根拠は、人間は利害関係によって動く動かないかを決定しているため。己に利益がないと解っていながら人が動くことはあり得ない。エリートと言われても所詮動物です。利益が欲しいのです。もし利益なしに動く天才(狂人)が突然変異によって現れたとしても、その人間一人で世界を動かすことはできません。大勢の部下が必要です。しかし部下は利益なしには動かない。結局いかなる陰謀組織も金のために動くのです。つまり金にならないこと(費用対効果を度返しに)はいかなる組織も動かない。ということです。例えば暗殺に何のメリットがあるのでしょうか?メリットがあれば動く。なければ沈黙。それだけです。その陰謀があり得るかあり得ないかの判断は、損をするか得をするかによってのみ決まるのです。
政府機関とは関わりなく、例えば民間の商売でも、売り手は顧客を巧みに誘導します。こちらが得を得るため、あるいはこちらに責任が及ばないようにするため。これは行政機関でもよくあることです。大衆を自分の都合のいいように誘導する。そして巧みに責任を回避する。売り手や行政よりも顧客や大衆の方が明らかにマスですから。これらも陰謀と言えば陰謀です。
世の中ではよく陰謀論の話が語られます。支配者層が大衆支配のために我々を洗脳しているとか。具体的に”誰が何のために”? エリートが大衆をコントロールするために。エリート連中は我々が真実を知ることを恐れている。だったら彼らはただ哀れです。真実を隠し通すことは不可能。彼らは常に怯えていなければならないのです。そんな人生楽しくもなんともないでしょう。彼らだって馬鹿じゃありません。大衆を完全に支配することなど不可能だということぐらい分かると思います。だから青山はこの手の陰謀(闇の政府とか)など信じられないのです。
ただ気をつけなければならないのは、支配層は、(何らかの事柄に託けて)知らず知らずの内にジワジワとゆっくりと目立たず一つ一つ大衆から自由を奪っていくものです。気がついたら独裁国家になっていた。そうならないように我々は絶えず権力者たちを監視していなければなりません。「国家の英雄」と称し無知な人々から盲目的に、あるいは熱狂的に支持されている権力者に、野望があるかどうかを見過ごしてはならない。政府を信用するな。絶えず疑いの心構えを持つこと。それそが科学的な態度です。

(補足13) 今世間ではやりの陰謀論を信じている人にお尋ねします。現在世界中にいる蟻一匹一匹が実は人間よりも高い知能を有しているとしたら。蟻たちは観察している人間の前では本能に基づいた昆虫としての(下等な)生態を見せつけているが、それはすべて人間を欺くための芝居であり、逆に人間を思うがままに支配・コントロールしているのである。人間たちは、小さな蟻がまさか我々を管理しているとは夢にも思わないだろう。あなたはこの陰謀論を信じますか?

(補足14) 陰謀論を信じると人が信じられなくなる。すると孤独に陥る。やがて精神に異常をきたし、人生が破滅します。とにかく人を信じましょう。どこまでも信じましょう。騙されてみるのもいいかも?同時に自分自身も信じましょう。無条件で信じましょう。疑問はあくまで調べる。そしてすべてを白日のもとにさらし、明らかにすること。闇は去ります。

(補足15) このように支配層が大衆の思考停止を狙う背景には、真実を知られるのを恐れている。ということがあります。当局は、大衆向けに低俗的な娯楽、スポーツ(Sports)、芸能(Screen)、性風俗(Sex)を与えて、現実から目をそらそうと謀るのです。これが有名な”3S政策”です。それとは対極なものとして、あくまで現実を直視する営みが即ち科学(Sience)なのです。この科学こそが最も健全であり、真に人間を幸福に導くものだと言えます。これを”1S政策”(青山の造語)と呼びます。

(補足16) 政府当局が何をしようが、国民の一部に反対する者は必ず存在する。政府としては国民全体を従わせたい。恐怖政治によって無理やり従わせ、逆らう者は容赦なく投獄。前近代ならあり得るが、このやり方は、民衆の権利が何よりも優先される現代では通用しない。(一部の独裁国家では未だにこんな愚かな原始的政策を取っていることろもある) そこで支配者たちは陰謀を企む。行政サービスを民間に解放する。民間資本の活用による行政改革、合理化を名目に、水道や電気その他の生活ラインの運営を営利企業に渡す。企業は当然利益優先主義として、最も生産性の期待できる事業のみに取り組み、他の非効率な部分はすべて切り捨てる。その為オンライン化、電子決済、ネット販売などを導入し、オフライン、現金取引を廃止する。もしくはこれらのオフラインサービスの価格を釣り上げる。国民は生活するために嫌でもオンライン等を利用せざるを得ない。このようにして政府が間接的に国民を意のままに従わせようと図るのである。
それは正に国民を兵糧攻めに掛けるようなものである。人々は生きために、政府の言いなりにならざるを得ない。これはイエスを十字架にかけたのと同じ手法である。(この話は第6章で)

 この世界の出来事はすべて偶然です。しかし人間はそれを認めたくない。自分が成功できない理由、毎日が息苦しい訳、なぜ突然こんな不幸に見舞われたのか。大方は原因が判明しても、中には原因が特定できないものもあります。人はそれを何者かの精にしたい。原因を明らかにしたい。それが分からないままで過ごすのは耐えられない。自然災害(大地震など)が起こったら、それを人知を超えた自然の力の精にしたくない。”天災”ではなく”人災”にしたい。なぜなら、自然(地球)に責任は問えません。自然は何もしてくれない。そこで人は影の政府、闇の勢力の仕業にする。巷の不確かな噂を信じ込む。証拠なしに世間の言説を妄信する。カルト宗教にのめり込む。オカルトに憑りつかれる。それで自分の心の安定を図っているのです。しかしそれは所詮誤魔化しです。真実は一つ。頼るのはあくまで事実のみ、科学のみです。

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