さて、いよいよどうしたら幸福になれるのかその手段についてお話します。 前回、幸福の状態には原因があると言いました。 今現在の状態を幸福な状態にするには、今の状態に対してある特定の作用を及ぼすとします。もしその作用が適性なら、ある決まった状態(結果)が得られるというもの。その得られた結果がもし望んでいる幸福な状態であるなら、その幸福な状態に変化させる作用が特定できさえすればいい。この作用というものは、自分が世界に対して為す具体的な行為を意味します。 その作用を特定するためには現在の状況を正しく把握する必要があります。この世界は因果律によって成り立っています。すなわち原因が決まったら、結果も 必然的に決定されます。もし原因が特定されているのに結果がバラバラなら、我々は世界について何も知り得ないことになります。我々が現実に関われるのは その現実を理解できるからです。もし理解できないなら、我々にとって現実など存在しないのに等しい。もしそうなら我々は存在している意味がありませんね。だから我々はこの世界を理解できなければいけないのです。 そして我々が世界を理解する方法が一つだけあります。それがズバリ科学です。 科学はこの世界が規則的で秩序だったものであることを前提にしています。原因が特定されれば、結果が定まる。この因果律の法則を前提しています。(補足) つまり今の現実の状況を把握し、そこから幸福な状態が実現できる有効な作用を特定する手段、それが科学なのです。 これを式で表すと、 (現実の状態)+(特定の作用)→(幸福な状態) 作用を特定するためには、 (幸福な状態)-(現実の状態)→(特定の作用) つまり、現状を分析した上で経験則に基づき行動(世界への働きかけの仕方)を決定するという科学のプロセスをたどれば、幸福な状態を実現できるということです。 ただし複雑な現実の状態を把握し有効な手段を見つけ出すのは、そう簡単ではありませんので、目的達成までの試行錯誤は困難を極めることを覚えておいてください。 これでこの「科学概論」の主題とその結論が出ました、話はこれで終わりです。 それでは皆さん、科学を実践してどうぞ幸せになってください。 としたいのですが、これではさっぱり解らないと思います。科学なんかで幸せになれるのか!と怒りをこめて反論すると思います。確かにこれでは全く解らないでしょう。 まず科学とは何かが理解できないと思いますので、これから長々と科学について語ります。 (補足) 因果律とは、何かが起こればそこには必ず特定の原因がある。というもの。よくある嘘に、日ごろの行いがいいから今日は晴れ。日ごろの行いと、気象とは因果関係がありません。また、この人が来る時はいつも雨。という雨男の話など。その人がいるかいないかが天気に影響を与えるはずがありません。くれぐれもこんな幼稚な話に引っかからないように気を付けましょう。
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