TSUKUSHI AOYAMAのホームページ

トップへ戻る インデックス
← 前へ 次へ →

相対性理論 物体と時空の歪み


物体と時空の歪み

 相対性理論で時間の進むのが遅れるという話は、特殊相対性理論と言って加速度運動については考慮していません。加速度まで考慮して、特に物体が地球の重力に引かれて、加速度的に落下する運動などを扱うのは、一般相対性理論と言う分野です。(図11「一般相対性理論」参照)
一般相対性理論の基本になっているのが、アインシュタインの重力方程式というものです。式で書くと大変難しい(青山にはさっぱり分かりません)ため、簡単な式で書くと、

 (時空の歪み)=(エネルギー)

となります。エネルギーは重力のもとすなわち物体の質量に相当します。従って、地球または太陽のような質量の大きな天体の周りの空間は、その天体の質量が大きければ大きいほど歪むということを示しています。
空間が歪むとは、相対性理論的に伸びたり縮んだりするということです。空間が伸びたり縮んだりするということは、時間も伸びたり縮んだりするということです。相対性理論では、地球上の時計の方が、地球から十分離れた時計よりも進み方が遅くなります。時間と空間を合わせて4次元空間と言います。
その空間の歪みを地球の公転運動を例にとって説明すると、地球は本来直線方向にまっすぐ運動しているはずなのに、太陽の質量のため周りの空間に歪みが発生して、まっすぐではなく曲がって運動する。これが地球が太陽の周りを回っている理由です。(図12「重力と天体(太陽の重力と空間の歪み)」参照)
さらに質量が増すと、光さえ直進できず、その経路が曲がることが知られています。遠くの星からの光が、途中にある銀河の質量によって経路が曲がって見える。いわゆる重力レンズ現象や、重力が極限まで増したブラックホールの場合はそこから光さえ出られないほど時空が曲がってしまった例です。(図12「重力と天体(ブラックホールとは)」参照)

ただ、もう少し考えみてください。重力方程式とは「そこにエネルギー(質量を持った物体)が存在するから、その周りの時空が歪む」というものです。時空が歪む元となっている物体って何でしょうか?そこに何かが存在するのでしょうか?もし存在するならどうしてそれを確かめるのでしょうか?
我々が観測できる物理量と言うのは、究極的には、時間と空間です。その時間と空間以外に何かの(計測できる)物理量があるわけではない。速度も力もエネルギーも、そして電圧も電流もすべてはこの時間と空間を合成した量なのです。従って物体がそこにある証拠となるエネルギーも、時間と空間が何もない空間よりもどれだけ歪んでいるかによって観測されるのです。
結論、「そこに物体があるから、その周りの時空が歪む」のではなく、「時空の歪みそのものが物体である」ということです。物体と言っても時空の歪み以外の何かがあるわけではないのです。(図13「物体と空間の歪み」参照)

例えば、図のように目の前に壁があって通り抜けができない。それは壁という物体があるのではなく、その部分の空間が歪んでいるだけのこと。時空の構造は力によって変化させることができます。例えばハンマーで壁を壊せば、その空間の歪みも消えてそこを通り抜けることが可能になる。
それは人間の場合も同じです。目の前に別の人が立っているとしましょう。壁と同じように、時空の構造は力によって変化させることができます。手で相手の体を押しのければ、そこを通り抜けることができます。ただし多少の力では相手はどいてくれないかもしれない。すると自分はそこを通り抜けられません。その際自分の手も時空の歪みであることに注意。すなわち相手の体を押すことは、歪みと歪みがぶつかり合うことを意味します。空間の歪みを地図の等高線のように表すと、その線が交わることはない。つまり、相手の体の中に自分の手が通り抜けて重なることはありません。
そもそも人間の体も時空の歪み以上の何物でもないのです。人間という存在は、結局(誰であろうと)単なる時空の歪み、中は空っぽと言うわけです。
例えそれが大会社の社長だろうが国王陛下だろうが、中身は何もありません。単に空間が歪んでいるだけです。そんな空の存在に胡麻をすったり忠誠を尽くすなんてばかばかしい話だと思いませんか?


ご意見・ご質問