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宇宙の構造


 太陽系と銀河系
 我々の住む地球は巨大な球体です。ニュートンが発見した「万有引力の法則」により、地球上のすべての物体は、地球の中心(重心)に引き付けられており、そのため地球の反対側にいる人も滑り落ちることがないのです。
地球や月、あるいは太陽も含めて天体はほとんど皆球形です。(小惑星の中には、円柱上のものもある) それは物体には重力が働いており、そのために球形がもっとも安定する形なのです。
天体同士には重力が働き、互いに引き付け合っています。月が地球の周り(正確には地球と月の重心)を回っているのも引力が働いている精です。月が地球の周りを回っているのは、地球の方が質量が大きいからです。地球も月もさらに太陽の周りを回っています。太陽の方が地球や月よりもはるかに重いからです。このように天体同士は重力で引っ張り合い、重い天体の周りを回ることになります。我々の太陽系で最も重たくて巨大な天体は、言うまでもなく太陽です。従って惑星も衛星も、小惑星も彗星もみな太陽の周りを回ることになります。
さらに太陽も銀河系という無数の巨大な恒星が集まったものの中心を回っています。一説によると(ほぼ間違いなく)銀河系の中心には太陽の何万倍、何億倍もの重さの巨大なブラックホールがあるらしい。銀河系には、恒星や恒星系の他に星雲や暗黒ガス、恒星が集まった星団などがあります。

宇宙の構造(図34「宇宙の構造」参照)
 この銀河系も宇宙にはたくさん存在することが分かっています。ただ宇宙空間に満遍なくあるのではなく、銀河系がたくさん集まっているところと、あまり集まっていないところがあるそうです。銀河系が密集しているところを銀河団と呼びます。その銀河団も多層構造をしているそうです。(銀河団が集まった超銀河団やさらにそれ以上の大規模構造など)
ところで宇宙に果てはあるのでしょうか?そこには境界のようなものがあって、それを越えたら宇宙の外に出られる?宇宙に中心はあるのでしょうか?宇宙は一点からビッグバンによって膨張を始めたらしい。その一点とはどこでしょうか?我々の地球はそこからどれほど離れているのか?もしその中心に行けば、ビッグバンの痕跡があるかもしれない。

 宇宙はあまりにも巨大です。さらにまた宇宙とは時間と空間の全てです。従って我々の日常の3次元空間とは感覚を異にします。
まず宇宙には中心がありません。そして果てもありません。いわばここが中心であり、且つ果てなのです。佐藤君の家が宇宙の中心でもあり、果てでもあります。同時に斉藤君の家が宇宙の中心でもあり、果てなのです。???
お分かりですか?イメージとして地球のような球体の表面を連想してください。地球表面には中心はありません。国連本部のあるニューヨークが中心ではありません。地球の中心は地面の下にあります。地球表面の中心はありませんが、地球上の島には中心がありますね。同じように、銀河系には中心があります。要するに空間の一部には中心を設定できますが、宇宙空間全てに対して中心を定めることはできません。なぜなら宇宙は全てですから。(その証拠として、佐藤君の家から宇宙を眺めても、斉藤君の家から宇宙を眺めても、宇宙は四方八方どの方向にも、星(銀河)が一様にあります)
地球表面の果ては、地上の全ての場所です。どこでもいいのです。例えば先ほどの佐藤君の家の庭から真上にジャンプすれば、地球から飛び出すことができます。同様に宇宙のどの場所も宇宙の果てです。先ほどの斉藤君の家の庭から飛び出せば、宇宙の外に出られます。ただし、その脱出速度は光の速さを超えないと駄目だね。我々は相対性理論により、それは禁止されています。つまり我々はこの宇宙の外には脱出できないわけです。ブラックホールの中に閉じ込められているのと同じです。
では、我々はある一定の方向に向かってどこまでも進んでいくと、どこにたどり着くでしょうか?それこそが宇宙の果てでは?
しかしこれが地球表面なら、どこまでも、例えば真西に進んでもいずれ同じ場所に戻ってしまいます。どこまでも真っ直ぐだと思っていた地球の表面も実は曲がっていたのです。あまりにも地球が巨大なために分からなかったのです。(世界は2次元ではなく、3次元であることに気づかなかった)
しかし、もし宇宙が3次元になら、どこまでも真っ直ぐに進めば、元に戻ることはないと思いませんか?この宇宙は4次元ではないのですから。
ところが真っ直ぐに進んでいるようでも曲がってしまい、いつしか元の場所に戻ってしまうのです。
なぜか?我々は重力の作用を受けているからです。宇宙全体が及ぼす重力によって外に飛び出せないのです。
我々はわずかな距離を進んだとしても、そこで曲がってしまうことを避けることができない。ゼロではないある有限の距離を進む際、我々は必ずゼロではないある程度の時間を費やすことになります。その有限の時間の間に、必ず重力の作用を受けます。するとその間の経路がゆがむ。真っ直ぐ進んでいるつもりが。
この宇宙は空間的には3次元ですが、時間がある分4次元のように見えるのです。
しかしもし力によって曲がってしまったら(引力によってある方向に引っ張られてしまったら)、そのずれた分を元に戻してやれば、あくまで真っ直ぐに進むことはできるはずだと思いませんか?例えば、重力で経路がずれたとしても、ずれた方向と反対に少し戻してやればいい。でも、果たしてどの方向にずれたのでしょう?力は宇宙の中心に向かって引かれるために(そこに全宇宙の重力が集まっているから)、その反対の方向、つまり宇宙の中心から離れるように経路を修正してやればいい?
しかし、宇宙の中心ってどっちの方向なのかどうして分かるのですか?分かりません。だって宇宙全体の中心ですよ。それは宇宙の外に出てみないとわからないのでは?そんなことは不可能です。あるいは完全に真っ直ぐな(とてつもなく長い)物差しを使えばいい?でも、その物差しが曲がっていないという保証はありますか?ありませんね。
我々は普段日常で長さを正確にはかるのに物差しを用いますが、その物差しが本当に真っ直ぐかどうかを確かめるのに、最も適したものは直進する性質を持っている光を用いることです。ところが「物体と時空の歪み」で示した通り、重力によって光さえも曲がってしまいます。これでは何を基準にしたらいいのか分かりません。結局真っ直ぐなのか、曲がっているのかも分からないまま、進んでいくうちに、いつの間にか元の場所に戻ってしまう。これが宇宙です。

宇宙の構成
 最近の天文学によれば、我々が望遠鏡等で観測できる、即ち何らかの電磁波を発している(あるいは反射している)天体は、宇宙全体の数パーセントに過ぎないそうです。残りは見えない未知の物質。これをダークマターと呼んでいます。そのダークマターがある証拠は、銀河系の回転速度を説明する上で、このダークマターがないと銀河を構成している星々はバラバラになってしまう。ダークマターはそれを防いでいるそうです。そのダークマターによってその背後にある銀河から来る光の経路が曲がり、レンズのように見える。(これを「重力レンズ効果」と呼んでいます)。(補足)
他にもこの宇宙には、星も銀河も何もない空間にとてつもない量のエネルギーが存在しているということ。これが宇宙を膨張させている原因だそうです。この未知のエネルギーをダークエネルギーと呼んでいます。宇宙は正に謎だらけです。我々は宇宙のごくごく一部、その片りんを発見したに過ぎないのです。例えるなら人間の体毛の一つを調べた程度。
果たして我々はいつの日か、宇宙のすべてを理解することができるでしょうか?恐らく未知の事柄はどこまでも尽きないと思います。

(補足) 光の曲がり方も部分的なら観測できますが、宇宙全体が曲がっているかどうかを知るためには、宇宙の外に出てみなければ分かりません。地球が丸いことを知るためには、ロケットに乗って地球から飛び出してみないと分からないのと同じです。

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